自閉症 本

自閉症 コラム

重度自閉症のQちゃん(男の子・8歳)のお母さんであるももこさんは、
よくお酒を飲みます。
気分転換のため、ストレス解消のためにお酒を飲むと言います。

Qちゃんの養護学校が夏休みのため、Qちゃんは朝から晩まで家にいるものですから、
ももこさんは「たいへんだ」と言っていました。

そこで、今ももこさんが利用を考えている介護サービスは、
支援ハウス

派遣ヘルパーさん
だそうです。

「支援ハウス」とは、デイサービス、ショートステイ、体験型グループホームなど、要するに重度自閉症児を含む知的障害、または身体障害のあることをも一時的にあずかってもらうサービスのこと。

ヘルパーさんとは、子どもの面倒を見たり、学校などへの送り迎えをしてくれる人のことです。家事をやってくれる場合もあるようです。

ヘルパーさんの料金は5時間で5,800円で、自閉症児側の負担は1割。

えー!580円で飲みに行けるの?・・・って、飲み代は別ですが、
そんなたいへんな仕事を生身の人間がしてくれるのに580円でいいとは・・・オイシイな・・・
なんて不謹慎なことを考えてもしまいましたが、
ももこさんにしてみれば、もちろん自分が遊ぶために福祉サービスを利用しようというのではありません。
自閉症の子どもにとっては、知らない人と接する機会が増え、社会に適応するためのいい訓練・経験になるから、早く利用しようと思っていたということです。



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自閉症に対する誤った認識は、現在の社会において意外と多いようです。

いちばん多いのが、自閉症を「ひきこもり」や「うつ病」と混同することのようです。

そう言えば、僕の妹が小学生の頃だったか、仲間とのコミュニケーションを(一時的に)断って、独り部屋の隅に寄っていじけてしまうような行為を「じへる(自閉る)」と言っていました。
「あいつじへってるよ」のように使っており、一時的な流行り言葉のようでしたが、これも自閉症を誤解した言葉でしょう。

ももこさんも、「自閉症という呼び方は誤解を生じやすいようなので、もっと適切な名前を誰か考えてくれないかな」と言っていました。

確かに、「自らを閉じる」という字面は、「目を合わせない」とか「会話しようとしない」とかの行動と一致するようにも思われるでしょう。
「コミュニケーション障害」とも言われる自閉症の特徴は、「コミュニケーションできない=自分の殻に閉じこもっている」という印象を与える行動が見られる場合があることも事実だと思います。

かつて「痴呆症」が「認知症」という呼び名に変わったように、より適切な自閉症の別称を求めるももこさんのような声は、自閉症者の側からは多く聞こえてきます。
ただ、「痴呆」という文字が、明らかに「頭が悪い」とか「馬鹿者」といった意味を持つ文字であるがゆえに、別称と言うか名称の変更が強く求められたのだと思います。

それに比して「自閉症」なる文字は、特別侮蔑的な意味合いを持たないため、改称が遅れているのかもしれません。

自閉症者の場合、あらゆる雑音がことさらに強く感知されて立ち往生したり、相手の気持ちが読めずにかえってずけずけと思ったことをはっきりと口に出したりと、「自閉」よりもむしろ「自開」とも言うべき状況にあると説く専門家もいるようです。
が、自閉症を「自開症」と改名するのもピンと来ません。

ところで、昨今謹慎中の朝青龍に下された診断名が「解離性障害」。
これとて素人にはピンと来ない病名であることは確かであり、一般の人(自閉症を知らない人)に「自閉症がどういう病気か」を理解してもらうためには、「ピンと来る名称」を考えることよりも、やはりなんとかして「社会と接する機会」を増やしてあげることによって、自閉症に対する理解を深めてもらうことがベストのように感じます。

「適切な病名」を決めたくらいで事が解決するほど、自閉症の症状は単純で画一的なものでもないようですし。

こういって言っているだけでは「絵に書いた餅」でしょうが、僕はそんなふうに思いました。



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オススメ書籍
親、教師、施設職員のための自閉症者の就労支援

             梅永雄二:著
             エンパワメント研究所:発行  筒井書房:発売  定価: 1,200円 + 税
             
ISBN-4-88720-244-X  C3036  ¥1200E

今回は、自閉症者の就労支援の実際について体系的に知るために、僕からの「オススメ書籍」を紹介します。

自閉症者の就労の実態、自閉症者への職場の評価、自閉症者就労支援機関、援助付き就労の実際、知的障害を持つ自閉症者の就労の実際など、ひじょうに役立つ情報が網羅されています。

自閉症者の就労率は実にかんばしくなく、いわゆる一般就労ではない、福祉的な就労の例も多く、賃金も安いために自閉症者の経済的な独立は困難です。

しかし、園現実を踏まえた上で、自閉症者の一般就労を目指そうじゃないかという気概を持って書かれた本だと思います。

自閉症者の周囲が、自閉症者にどう働きかけ、就労を促すことができるか、という視点に立って書かれています。

   目次

   はじめに

   第1部 自閉症者の就労の現状と職業的自立のために

第1章 青年期自閉症者の特徴

第1節 自閉症とは
第2節 身体的側面
第3節 知的側面
第4節 社会的側面
      1.対人能力
      2.性的な問題
      3.さまざまな問題行動

第2章 青年期自閉症者の就労状況

第1節 青年期自閉症者の就労率
第2節 就労先の職種

第3章 労働行政における自閉症者の就労援助 ― 各種援護制度

第1節 雇用率制度
第2節 助成金制度
第3節 職場適応訓練制度
第4節 障害者緊急雇用安定プロジェクト

第4章 自閉症者の就労上の課題

第1節 仕事中に指摘される問題点
      1.作業能力
      2.対人行動
      3.環境要因
第2節 事業所調査の結果

第5章 さまざまな就労支援

第1節 わが国の就労支援機関
      1.地域障害者職業センター
      2.障害者雇用支援センター
      3.福祉工場
      4.障害者職業能力開発校
      5.その他の就労支援機関
第2節 援助付き雇用(Supported Employment)
      1.援助付き雇用とは
      2.援助付き雇用における職業評価
      3.援助付き雇用における職業指導
      4.その他のジョブコーチの仕事
      5.わが国の援助付き雇用

第6章 自閉症者の職業的自立のために

第1節 自閉症者の社会適応力を高める
      1.トップダウン(目的指向)を意識した家庭、学校での教育
      2.学力よりも社会的スキル(社会生活能力)の習得
      3.余暇を含めたライフスタイルの確立
      4.地域に根づいた指導
      5.家族の支援
第2節 環境からのアプローチ
      1.早期からの職業教育の充実
      2.養護学校卒業後の専攻科の設置
      3.保護者、医師、福祉施設職員、職業カウンセラー等の有機的なネットワークの形成
      4.職業領域の各題 ― コンピューターの指導など
      5.行政指導 ― 一般企業への自閉症者の理解を求めて
      6.ジョブコーチ等 職業指導の専門家の養成
      7.環境の構造化
      8.新しい就労支援形態の促進

   第2部 自閉症者の就労事例

第7章 知的障害を重複している自閉症者

第1節 重度の知的障害を重複している自閉症者
      1.言葉によるコミュニケーションは困難で、黙ってもち場を離れるセイヤ君
第2節 軽度の知的障害を重複している自閉症者
      1.視線が合わず、対人関係をうまくとれないトモちゃん
      2.こだわぢが強く大声で独語を発するタカシさん
      3.ヒゲを伸ばしたままで、ときおりチグハグな対応をするカズノリさん
      4.独語があり、誰彼かまわず声をかけてしまうヒロアキさん
      5.仕事に飽きると周囲を見渡すマリさん

第8章 高機能自閉症者

第1節 高機能自閉症とは
第2節 事例
      1.知的には高いが、こだわりがあり対人関係にトラブルを生じやすいコーヘイさん(仮名)
      2.雨の日にも花に水をあげて枯らせてしまうテツさん
      3.音などの環境刺激に敏感で、時間にこだわりがあるヒサノブさん(仮名)
第3節 高機能自閉症者の就労上び課題と対応

   終わりに 

   読書案内

   巻末資料



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自閉症者の「就労支援」の実態について調べてみたのですが、どうも結論から言えば、就労を希望する自閉症者の就労状況も芳しくはないようです。

そうなのかな・・・、考えてみれば「普通の人と違う」っていうのは、受け入れがたいでしょうね。
従業員が半日遊んでいるような会社は無いだろうし、多少なりとも自閉症者には世話がかかるみたいです。

そうしたら自閉症者は生きていけないじゃないか?!

親が養うってか?
生活保護ってか?

やたらもの悲しい事実がわかってしまいました。

でも、自閉症者を雇う事業所には助成金も出ます。
僕がかつてアルバイトに行っていた千葉県の運送会社の倉庫にも自閉症の男の子(19歳)がいました。
自分から話はしてこないし目も合わせないけど、仕事は正確無比でしたね。

でも、僕は目撃したことがなかったからそうたびたび起こることではないのでしょうが、仕事で予想外の状況が起きるとパニックを起こすと聞きましたね。

僕が今経営している事業所で、「自閉症者を雇ってくくれ」と頼まれたら、答えは間違いなく「NO」です。
そんなゆとりはないですから。
それをしたら、おそらく存亡にかかわりますね、大げさな話じゃなく。
実際そんな事業所が多いと思います。

でも、やっぱりこの状況は変えていかなければ、変えていきたい、と思います。

そのためには何ができるでしょうか・・・。

自閉症者の就労に関する参考文献



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いくつか前の記事(「自閉症者を本当に援助できる社会は来るか?」)で僕は、

『自閉症が重度であれば一生涯介護が必要となり、ぶちあけて言えば税金で自閉症者を援助することになります』

と書きました。

では自閉症者は「社会のお荷物」なのか?
まあお金とか経済とか効率とか、そういう側面だけで考えればそうでしょう。

だから、「働けない人はいなくなればいちばんいい」と考える人も実際にいます。
そういう人に対して、「心が貧しい」とか「冷酷非道」とか批判をするのはたやすいですが、口には出さないまでも、そう考えてしまう人も多いと思うし、それは悲しいことだけれども、単純な問題でもないかなと思います。

でも、僕は同記事で、それは人の道に反するだろうということを言いたかったんですが、実際に人間が生きるにはお金が必要なことも事実ですから、たいへん難しい問題ではあります。

自閉症者は、別に悪気があるわけじゃないし、ただ自閉症という病気なだけです。
熱があるわけでもないし、肢体不自由というわけでもないから、普通に歩けるし動けるわけですから、
なんとか重度の自閉症者でも経済的に自立できる方法があるんじゃないかと思い、自閉症者の就労支援の実際について少し調べてみたいと思ッたわけです。


次記事へつづく。



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やっぱり僕って自閉症的なのか・・・?
と思わせてくれたのが「自閉症の極端男性脳理論」でした。

ももこさんに言わせると、「女性よりも男性のほうが和を乱す人が多い、自分勝手な人が多い」とのことで、僕は「へーそうなのかね?」という感じであまりピンと来ませんでした。

しかし、自閉症者の特徴は、まさに「自分勝手の極み」ではあるわけで、期せずして僕の中に「自閉症的=男性的」という図式が浮かんだのです。
自閉症の極端男性脳理論」を知ったすぐ後だったからこそそう思えたのですが、考えてみれば自閉症は女よりも圧倒的に男のほうが多いわけですしね。

「自閉症の極端男性脳理論」が説くところによると、男は女に比べて、共感的であるよりは攻撃的競争的だと言うのです。
女はその逆になるわけで、ここはなるほどと思わせます。

その性質(性差)ゆえに、男は女に比べて「他人の表情を読む」ことが苦手で、その極端に位置する自閉症の脳は「マインドブラインド」であると説きます。

その反対の極端に位置するのが「極端女性脳」であり、これは「システムブラインド」であると言うのですが、この部分は仮説であり、そうした脳の実在のサンプルがあるわけではないようです。

なるほど女性は男性に比べて「システマティックなもの」の構築や理解が苦手ですよね。
高機能自閉症やアスペルガー症候群の人で、数学や規則的、機械的なものの記憶に驚くほど長けている人が多いという事実とも符合しますね。
ニュートンやアインシュタインがアスペルガー症候群だったと聞いて、驚くと同時に納得もしたものです。

男性脳の持ち主(多くは男性)は、「極端男性脳」によりシフトしやすく、女性脳の持ち主(多くは女性)はよりシフトしづらいことは論を待たないでしょう。
だから女性よりも男性のほうがより自閉症になりやすいのだと。

ところで、自閉症の極端男性脳理論に登場する「極端女性脳の持ち主」とは、どんな人でしょう
もちろんそれが女性とは限らないでしょうが、もちろん女性のほうがそうなりやすいわけです。

物事をシステム化することないしシステムを理解する能力はひじょうに低いが、飛びぬけて共感的であり、他人の気持ちを察し、他人に協調することに異常なほど長けている人・・・。
おそらく社会ではむしろ愛される存在ではないでしょうか。

ところが、極端男性脳は愛されません
自閉症者は自分のことだけを主張し、他人の気持ちがよく解りません。
また自閉症者は「変化」を嫌い、自分が「正しい(こうあるべき)」と決めたシステム(規則性)を乱されることをひどく嫌います
やはり社会になじみづらいから、愛されにくい、受け入れられにくいのです。

自閉症者を優しく包み込み受け入れることができるのは、やはり「女性脳(女性の脳という意味ではない)」なのだろうと思います。
福祉の心は母の心なのでしょうか。



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自閉症…こんな病名のせいか誤解されて、言葉が出ないのも語りかけが少ないのではとか、自分の思い通りにならないとすぐキレてかんしゃく起こすのも過保護だからとか、親の育て方をとやかく言われがち。

何年か前に「痴呆症」が「認知症」に改められて、自閉症も新しく適切な名前しようって話も出てた気がするけど、未だ自閉症のまま…何かこれだっていうネーミングをお願いしたいもんです。

Written by ももこ
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「自閉症」という言葉を誤解して誤った使い方をしたり、
まして自閉症をあからさまに見下すようなことを言うと、当事者側からクレームが入ることがあります。

当事者とはとりもなおさず自閉症者またはその家族ということになるわけですが、まあ至極当然のことでしょう。
自閉症は他者ひいては社会とのコミュニケーション障害ですが、自閉症者本人は、なにも人間が嫌いだとか、社会に受け入れられる必要は無いなどと考えているわけではなく、むしろ社会になじもうと努力している場合がほとんどだと思います。

しかし自閉症という障害(または病気)がそれを妨げるのであって、無論本人に悪気はありません。

ただし社会は「異質なもの」を受け入れたがらない性質を持っており、曖昧模糊、事なかれ、右へならえ、長いものには巻かれろ、行列大好きを旨とするわが国においてはなおさらなのかもしれません。

自閉症が重度であれば一生涯介護が必要となり、ぶちあけて言えば税金で自閉症者を援助することになります。
でもそれは必要なことです
弱い者、ハンディキャップのある者は、皆でいたわるのが当然の人の道でしょう。

しかし、そんな格好のいいことを言うには、十分な「お金」が必要です。
僕は今まで自分のためだけにお金を使ってきましたが、これからは社会のためにお金を使えたらと思っています。



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